2007年4月10日      

セメントを金属に変身させることに成功

〜 ナノの構造を利用した現代版錬金術 〜

今後の発展

 希少元素に依存せず、ありふれた元素のみを使って、ナノの構造の工夫次第で、新しい機能を発現できる可能性を明快に示した結果といえる。

 液晶ディスプレイやテレビなどに不可欠になっている透明金属は、希少な金属であるインジウムを用いなければならないという問題をかかえている。しかし,本研究成果は、ナノの構造を工夫することによって、インジウムのような希少な金属を全く使用することなく、身の回りにある、ごくありふれた元素を使って透明金属を実現できる有望な道筋を与えた。

 今度の課題としては、典型的な絶縁体として知られていた、このセメント物質C12A7を、2003年に半導体に変えることに成功し、今回は金属化に成功した。次の挑戦としては、超伝導が実現できるかどうかである。「セメント超伝導体」はこれからの目標である。


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