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手研究者セミナー




磁性研究の第一線で活躍する若手研究者を招いてセミナーを行っています。

当研究室の学部の学生も想定して講義をして頂いているので、分野の異なる方々も是非参加して頂き、議論ができればと思います。

学生の方々にとっても、若手研究者らの研究に対する熱意や姿勢を肌で感じることができる良い機会だと思いますので、学年学部を問わず自由にご参加下さい。




日時:2016年12月1日 10時半〜
場所:大阪府立大学 サイエンス棟(A13) 228室
講演者:野村 和哉 氏 (東京大学物性研究所 D1)
タイトル:破壊型強磁場実験の紹介と、有機スピンラダー物質の超強磁場磁化測定

概要:
物理学において、磁場は重要なパラメータのひとつである。しかしながら強い磁場を発生させることは非常に難しく、100 T (135 K 程度のエネルギー)以上の磁場を発生させるには破壊型磁場発生法という特殊な技術でしか発生させることはできない。発表の前半では、破壊型磁場発生法を中心に様々な磁場発生法について紹介する。  発表の後半は、低次元磁性体の磁化過程について議論する。1次元や2次元にスピンが並んだ系は低次元磁性体といわれ、量子力学の効果が顕著に現れ多くの研究がなされている。発表ではスピンが梯子上にならんだ有機スピンラダー物質の100 T 超の磁化測定の結果を報告する。







日時:2016年7月7日 10時〜
場所:大阪府立大学 サイエンス棟(A13) 306室
講演者:高阪 勇輔 氏 (広島大学大学院理学研究科)
タイトル:キラル無機磁性体におけるキラル磁気ソリトン格子の観測

概要:
キラリティ (カイラリティ) とはギリシア語で掌を意味し、右手と左手の関係のような鏡像関係を示す。例えば、水晶はキラルな結晶構造を形成する。キラルな結晶構造を有するキラル磁性体において、交換相互作用とDzyaloshinskii-Moriya (DM) 相互作用が拮抗することにより、右巻き又は左巻きのみのキラルらせん磁気構造が生成され、結晶構造とらせん磁気構造のキラリティが結合する。キラル磁性体は、磁場印加によって周期が可変な特異的磁化状態であるキラル磁気ソリトン格子を形成する。本講演では、結晶構造キラリティを制御した単結晶育成手法や、この結晶試料を用いた放射光X線回折、中性子回折によるキラル磁気ソリトン格子の観測結果を交えて紹介する。







日時:2013年4月18日 10時〜
場所:大阪府立大学 サイエンス棟(A13) 323室
講演者:紙屋佳知 氏 (ロスアラモス国立研究所)
タイトル:半整数スピン三量体構造を有するモット絶縁体におけるマルチフェロイクス

概要:
半整数スピンよりなる三量体は、スピン1/2および軌道自由度の擬スピン1/2で記述される 低エネルギー構造を持つ。本講演では、このような三量体構造を有するモット絶縁体において、スピン自由度 と三量体内での電荷ゆらぎに起因する双極子モーメント [1]の相互作用によってマルチフェロイクスがあらわ れることを示す。具体的には三量体化された三角格子を積層させたハバードモデルの強結合極限、すなわち ハイゼンベルクモデルを考える。三量体カップリングを摂動的に取り扱うとKugel-Khomskii [2]タイプの有効 モデルが導かれる。我々はこれを半古典的平均場近似で扱って絶対零度の相図を求めた [3]。磁場や面間 相互作用に依存して磁気秩序と共存する強誘電状態が実現される領域があり、電気分極は磁場の関数として 不連続な変化を示す。最近有機合成によって得られた有望な候補物質があり [4]、これについても議論する。


[1]L. N. Bulaevskii et al., PRB 78, 024402 (2008)
[2]K. I. Kugel' and D. I. Khomskii, Sov. Phys. Usp. 25, 231 (1982)
[3]YK and C. D. Batista, PRL 108, 097202 (2012)
[4]K. Takada, S. Iisaka, J. -H. Park, T. P. Murphy, H. Yamaguchi, T. Ono, Y. Shimura, T. Sakakibara, H. Nakano, Y. Hosokoshi, and Y. Takano, Magnetism of the Organic Quantum Spin Trimer TNN, The 13th International Conference on Molecule-based Magnets, Orlando, FL, USA (2012)






日時:2011年3月3日 14時〜
場所:大阪府立大学 サイエンス棟(A13) 228室
講演者:大久保毅 氏 (大阪大学大学院理学研究科)
タイトル:三角格子ハイゼンベルグ反強磁性体のボルテックス秩序とス ピンダイナミクス

概要:
三角格子ハイゼンベルグ反強磁性体はフラストレーションの典型例であ り、その基底状態は隣り合うスピンが互いに120度傾いた構造になる。 この120度構造の対称性から、この系には特異な渦励起(Z_2 ボルテックス)が存在しており、このZ_2ボルテックスの解離・凝集に関連した トポロジカルな相転移を生じることが、川村らによって示唆されている [1] セミナーでは、このようなZ_2ボルテックスに関する最近の理論 研究を紹介する[2][3]。 実験で観測可能な動的構造因子の振る舞いを中心に、三角格子上の古典 スピンのダイナミクスを数値シミュレーションにより調べた結果を報告し、 ボルテックス励起との関連について議論する。


[1] H. Kawamura and S. Miyashita, JPSJ 53, 4138 (1984).
[2] H. Kawamura, A. Yamamoto, and T. Okubo, JPSJ 79, 023701 (2010).
[3] T. Okubo and H. Kawamura, JPSJ 79, 084706 (2010).






日時:2010年11月27日 14時〜
場所:大阪府立大学 サイエンス棟(A13) 228室
講演者:石井梨恵子 氏 (大阪大学極限量子科学研究センター)
タイトル:擬二次元三角格子反強磁性体Rb4Mn(MoO4)3における幾何学的フラストレーションと低次元磁性

概要:
二次元三角格子反強磁性体は, 幾何学的フラストレーションをもつ格子系におい て最も単純な例の一つであり, フラストレーションの効果を調べるのに適してい る為, 実験と理論の両面から盛んに研究されてきた. 近年は低温で実現する120 度相におけるカイラリティの秩序化やこれに由来するマル・`フェロイクスなどの 新しい相転移現象が注目されてきている. さらに, より完全な理解の為には理論 と実験との間で定量的な整合性 が重要となる. しかし, 現実の多くの三角格子 反強磁性体は強い層間相互作用や次近 接相互作用など, より複雑な相互作用の 存在の為, そのような定量的な整合性が見られる場合はほとんどなかった. 我々 は,/S /= 5/2のハイゼンベルグ型擬二次元三 角格子反強磁性体Rb_4 Mn(MoO_4 )_3 の単結晶を育成し, その低温磁性について調べてきた. 本セミナーでは、こ の物質について試料作成や、磁化・比熱などの低温物性を紹介する予定である.


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Last modified: 2007-04-10 19:02 (mkhtml.awk 1.50)