大阪空港

 偏見的大阪シリーズもこれで3回目だ。全然反響が無いので、読んでくれてる奴がいるのかどうか分からんが、わしゃ続けるぞ。こよなく愛する大阪のために。

 初めて大阪を訪れる人は、ビルの谷間に沈むジャンボ・ジェット機の巨体に驚くであろう。昔、私の友人なんかは、「あっ、ひ、飛行機が落ちる!」と目を丸くして叫んだものだ。その先にあるのが、大阪伊丹空港である。基幹空港が、大きな市街地にこれほど近接している例も珍しい。夜間など、飛行機の窓から見ていると間違って高速道路に着陸しやせんかとハラハラする。

 大阪空港は、都心から車でわずか20分そこそこで到達できるという、信じられないような利便性を備えているが、これは、周辺住民の大きな犠牲と、国の莫大な財政負担の上に成り立っている。伊丹市と豊中市の市民を中心とする空港騒音公害訴訟は15年以上の歳月の後に、ようやく和解に達した。空港完全撤去を求めて始まった訴訟は、結局、騒音対策に多大な財政的補助を認め、国際線を関西空港に移し、飛行機の発着時刻に厳しい制限を設けることで決着した。伊丹からの空港撤去に対しては、地元の商工会が反対に回った。このあたりの原理原則にこだわらない妥協の仕方に、大阪らしさを私は感じる。

 よく知られているように、飛行機事故の大半は、離着陸時に起きている。その点、大阪空港は、日本で一番安全な空港だと、私は思っている。なぜかというと、もし伊丹で飛行機が墜落したら、地上をも巻き込んだ大惨事になることが目に見えている。したがって、各航空会社では、パイロットに「伊丹では、絶対に落ちるな」(太字のところにアクセント)と教育を徹底させているに決まっているからである。違うかな?

 

 

 

 

 

  

 

 

  空港ロビーに宝くじ売り場!

 

 飛行場というのは、そもそも、非日常の空間であって、多少なりとも人を夢見心地にさせてくれるべきものだと思う。夕暮れ時の空港ロビーなんて、ちょっとオツじゃありませんか。それにしては、大阪空港には、いささか過剰な生活臭が漂っているのではなかろうか。だいたい、空港内にジャンボ宝くじの売り場があるのは、いったい何なんだ?同じジャンボでも意味が違うぞ!飛行機に乗るついでに宝くじを買っておこう、なんて考えるやつが・・・、いるのかも知らんなあ。「トラ焼き」 「たこ焼き」の宣伝ビラもやめてくれ〜。これでは南海電車の駅とまったく変わらんではないか。

 というわけで、大阪空港は間違いなく、日本でもっとも活気のある空港の一つである。私は、実は大阪空港が好きなのである。

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