出た!チョコレート効果

[ニューヨーク=青柳知敏]
 チョコレートの消費量の多い国ほど、ノーベル賞の受賞者数も多い。米ニューヨークの総合病院に勤めるフランツ・メッサーリ医師が11日付の米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」でこんな研究結果を発表した。今年の同賞の発表時期とも重なり「奇妙な新説」と話題を呼んでいる。

 ロイター通信などによると、メッサーリ氏はチョコレートの原料になる抗酸化物質フラボノイドが、認識力を高める効果があることに着目し、チョコとノーベル賞受賞者の相関関係の研究を始めたという。

 チョコの年間消費量上位23カ国と人口1千万人当たりの受賞者の上位ランク国を照らしあわせたところ、スイスやデンマーク、オーストリアなど受賞者を多数輩出した国とほぼ一致した。

 メッサーリ氏は「ほかにすることがなかったので、こんなばかげた研究をした」と話す一方、データは「極めて客観的」と説明。2001年に物理学賞を受賞した米国人の学者エリック・コーネル氏は、因果関係に疑問を挟みながらも「個人的にはミルクチョコよりダークチョコの方が効果があると思う」。           2012年10月12日 東京新聞

(引用終わり)

 これは私がこの駄文集の「因果と相関 あるいは笑える論理 (Aug 2007)」ですでに指摘している平均寿命とチョコレート消費量の関係とほとんど同じことである。これをチョコレート効果と呼ぶことにしよう。すなわち

チョコレート効果
(1)単なる偶然の一致またはあっても相関関係にすぎないものを因果関係と誤解すること  (2)ほとんどあらゆる国別統計量は、横軸にチョコレート消費量をとってプロットすると、気のせいか正または負の相関を示すという現象

チョコレート効果の研究を究めればイグ・ノーベル賞くらいはもらえるだろう。


                                        (Oct. 2012)

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