バールのようなもの

 以下の駄文は、5年前に一度アップしたことがある。 その後しばらくして、本屋で文庫本を立ち読みしていたら、清水義範氏の短編集の表題に、全く同じものがあるのに気づき、びっくりして削除してしまった。 パクったと思われるのやだからね。 ところが、最近Wikipediaに「バールのようなもの」という項目さえ立てられていることが分かり、いっそ面白いのではないかと、もう一度アップすることにした。 同じ事を考えたやつは日本全国で50名は下らないと見たね。 なお、「バールのようなもの」ではなく、「バール」の実物写真は上記Wikipediaのページに出ている。各自、参考にすること。

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 「1月4日未明、東京都台東区○○の貴金属店珍宝堂の店のシャッターが、バールのようなものでこじ開けられ、店内にあった1億円相当の貴金属宝石類が盗まれました」

 ああ、また気になるニュースを耳にしてしまった。「バールのようなもの」って、いったい何だろう?私はいつも悩むのだ。それは釘抜きの親分みたいなものだろうか?それとも耳掻きの大親分みたいなものか?「バール」って、ただのbar(棒)のことじゃないのかしら?はるか昔に、どこかで「バール」の図を見たことがあるような気がするが、「バールのようなもの」とは一体何だ? しかし、このてのニュースには必ず登場するところをみると、皆さん、よく知っているんだろうなあ。アナウンサーも、勿論よく知ってるんだろうなあ、バールのようなもの・・・。店のシャッターをこじ開ける以外の文脈には、決して現れない不思議な道具。泥棒さんの必携品。謎の物体「バールのようなもの」を手に、深夜の町を駆け抜ける盗賊の一団を想像して、私の胸は妖しく震えるのだ。

 お願い、一度でいいから「バールのようなもの」の実物をテレビで放映して!

                                                  
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